使用肥料等 |
1. 肥料等の定義 |
肥料は、農業や園芸にて、土壌改良・維持のために土や作物に施すものです。法律では以下のとおり定義されています。
【肥料取締法】―肥料
第2条 この法律において「肥料」とは、植物の栄養に供すること又は植物の栽培に資するため土じょうに化学的変化をもたらすことを目的として土地 にほどこされる物及び植物の栄養に供することを目的として植物にほどこされる物をいう。
2 この法律において「特殊肥料」とは、農林水産大臣の指定する米ぬか、たい肥その他の肥料をいい、「普通肥料」とは、特殊肥料以外の肥料をいう。
【地力増進法】―土壌改良資材
第11条抜粋 植物の栽培に資するため土壌の性質に変化をもたらすことを目的として土地に施される物(肥料取締法第2条第1項に規定する肥料にあっては、 植物の栄養に供すること又は植物の栽培に資するため土壌に化学的変化をもたらすことと併せて土壌に化学的変化以外の変化をもたらすことを目的として土地に施される物に限る。)
2. 肥料等の分類・種類 |
●肥料取締法による分類
[普通肥料]●政令で指定されている土壌改良資材とその用途
3.水稲で使われているおもな資材 |
(1) 融雪材
(2) 土壌改良資材(融雪材を兼ねる)
(3) 育苗肥料(育苗ハウスで使用)
(4) 本田基肥(水田耕起時に使用)窒素(N)燐酸(P)加里(K)肥料の3要素
※化成肥料は肥料1粒の中にN・P・Kの3要素が入っています。 BB粒状複合肥料とはNを含む粒、Pを含む粒、Kを含む粒が別々の粒状で複合されている肥料です。 水稲では窒素の吸収形態はアンモニア態窒素であり尿素態の形で施肥されるとアンモニア態窒素になってから吸収されるため遅効性となります。 また、有機質入りもアンモニア態となるのに時間がかかるので尿素入り肥料と同じく遅効性肥料となります。 水田の土壌条件等により肥料を選ぶ必要があります。なぜなら、水稲は栄養生長(自分の体を作る)と生殖生長(子供を育てる)に分かれており、 多すぎる窒素質は生育全体を遅らせお米の中のタンパク値(水稲によって吸収された窒素の約70%は米粒中でタンパクとして蓄積)を上げる要因となり食味を下げます。 収穫されたお米のタンパク値は約6.5前後~8の後半の範囲内でありタンパク値が低いほど食味が良いと感じられます。 ただし、窒素質が少なすぎる時は栄養生長が不良となり大きく収量減につながり籾粒数が確保されないため施肥した窒素が必要以上にタンパクで蓄積され食味を下げる要因にもなります。
(5) 側条肥料 (田植え時に使用)
※窒素全量アンモニア態で移植した苗の数センチ横に肥料を施肥するため初期生育に有効で基肥との組み合わせで使用します。施肥量は10aあたり20~30kg(窒素ベースで2.8~4.2kg)で圃場の土壌条件により調節しています。
※燐酸(P)寒冷地では初期生育促進を促し、水稲の安定生産に奇与します。水稲が最も必要とする時期は、移植後~最高分けつ期の間で施肥は基肥でなければ意味はなく、全層施肥に比べ側条施肥の利用効率が高い。
※加里(K)水稲の光合成や炭水化物の蓄積、吸収窒素のタンパク質合成に関わっており、不足すると茎桿部が軟弱となったり、登熟不良となります。
※北竜における窒素質肥料の基準施用量は窒素ベースで10a当たり7.3~9.3kgで土壌条件により施肥量の調節を行っていますが春先の融雪の進み具合、その年の天候によっても左右されるため収量、タンパク値も状況により増減します。
※春先の融雪を促進する事により水田耕起前に水田を充分乾燥させると乾土効果により本来水田が持っている地力窒素の発現を促し、施肥量を節約する事が出来ます。また、生育の後半まで必要以上に窒素質が残る事が少なくなりタンパク値を下げる効果があるため春先の融雪材散布と合わせた珪酸補給が非常に重要になります。
メニュー |